2010年12月06日

アメリカでの卵子ビジネスが成り立つ理由

アメリカでは不妊治療で、他人の卵子提供で子供を作るやり方も一般的であるようだ。
だが結構これが問題が多い。
日本ではほとんど取り組まれておらず、わざわざアメリカに渡って卵子提供を受ける人もかなりの数がいる。

この卵子提供で提供者への謝礼がかなり問題。
アメリカの生殖医学会の倫理委員会は
「5千ドルを超える謝礼は正当化する根拠が必要、1万ドルを超える謝礼は不適切」
という指針をだしているが、大学での学生に卵子提供を求める産婦人科学教室も多く、謝礼は8千ドルから有名大学では3万5千ドルなんてのもあるそうだ。

昔の日本で、金に困った人が血を売るってのがあったけど、完全に卵子を売るって考え方が定着してきたらしい。
これはつまり「卵子ビジネス」だ。

当然それだけの金を払ってもペイできる、つまり不妊治療をしている人の中でも富裕層、収入の多い人たちが大金を払うから卵子提供者にそれだけの謝礼が出せるわけで、ちょっと意地悪な言い方をすれば
「金持ちが金にあかせて卵子を買っている(子供を買っている)」
ということになる。

ということは卵子を”買いたい”金持ちの人たちは卵子提供者の値踏みをすることになる。
より優秀な遺伝子がほしいと言うわけだ。
どうせ金を払うからには優秀な遺伝子の卵子が欲しいと言うのは人情だろう。
そこで有名大学の学生なんかの卵子が高くなるわけだ。
完全に卵子ビジネス。卵子の売り買いが普通になっている。
はたしてこれってどうなんだろうと疑問に思う。

アメリカで保険適用になる卵子提供は1万8千ドル(150万円)ほどからだというが、日本からわたった場合は受精卵の移植費用は4〜5万ドルほど。
つまり300〜400万円となればかなりの額だ。
最初の訪米でリストから提供者を選び、準備が出来た後に再度アメリカに渡り受精卵の移植を受ける。
妊娠の確率は8割程度で、妊娠しなければまた費用をかけて2回目の移植を受ける事になる。

問題は金銭だけではない。
子供がほしい気持ちは分かるが、厳しい言い方をすればそれは大人の側の「自己」の「満足」だ。
言ってみればとにかく子供がほしい、子供が出来ればそれでよい、充足するという自分の気持ちの問題。
だが子供側にとってはどうなんだろう。
3分の2以上の親は子供には卵子提供を受けた事を告げないそうだが、卵子提供を斡旋する業者によれば隠し通せるものでもないそうだ。

それはそうだろう。
その時の子供の側の気持ちはどうだろう。
打ち明けるとしても赤ちゃんの頃から「おまえは卵子提供で生まれた」と言うはずもなし、
と言う事はある程度の期間「親の実の子」だと思って成長してきた子供が、思春期以降にいきなり「卵子を金で買った」と言う事実を聞くことになる。
まだ「幼児期に親に見離された子を引き取って育ててくれた」というならば受け入れられても、感受性の強い思春期以降の時期に「金で買われた卵子で”作られた子”」と知らされる事になる。
自分が中学・高校でそれを知らされた事を想像すれば、かなり重い事実だ。

それだけお金をかけて自己は満足しても、ショックを受け複雑な心理になり、それを背負ってこの先生きていかなければいけない子供の事を考えれば、卵子ビジネスにはちょっと疑問が出てきて考えてしまう。

であれば
養子をもらって育てたほうがいいんじゃないか、
或いは日本なら里親制度で里親になればいいんじゃないか(養子と里親は明確に違う)
と考える。

そして卵子の売買がビジネス化して卵子マーケットが出来るのも
卵子が「その提供者のステイタス」によって選別、値踏みされているのも問題だ。

結局アメリカで卵子ビジネスが成り立つのは
所謂お金持ち・富裕層が、自己の気持ちや不安に対して満足を得る為に大金を出し、自らの不安やコンプレックスを解消し、そして遺伝子を選ぶ事で子供に対しても「優秀な遺伝子の子を持った」という優越感を得たいからではないかと思ってしまう。


もちろんこれはアメリカの「卵子ビジネスの話」であって、
不妊に悩んでいる方の苦しみや希望を否定し中傷するものではありません。
大変なご苦労をされご心労であろうとお察しします。
不妊治療によって子供さんが出来ることを祈ってもおります。
日本での不妊治療での卵子提供はそれほど問題は無いとも思ってます。

ただ
「優秀な卵子をお金で買うという事」
「出来た子供が知った後に負うであろう心の傷」
に対しての個人の疑問と感想と問題点という話。
むしろ卵子ビジネスの商売の側がその方たちのコンプレックスにつけこんでいるとも言えるが。。。



posted by 科学レッド at 20:38 | Comment(0) | 医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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